8/1 BTCがUASFが実施される

深刻化するスケーラビリティ問題

まだ、あまり日本では騒がれていませんが、どうやらビットコインが大きく動こうとしているようです。

ビットコインユーザーの方は、最近の送金遅延問題でイライラ・ドキドキされたこともあると思いますが、もうはっきり言ってスケーラビリティ問題は限界にきていると思います。(※スケーラビリティ問題は次項参照)

私も先日はハラハラドキドキしました。手数料をケチって送金したばかりに、なんと着金まで7日間もかかってしまいました!!

このスケーラビリティ問題を解決する案は多数あるのですが、開発者グループとマイナーグループの意見が対立しなかなか解決できない状態が続いていました。

ユーザー主導のアクティベート

そんな中、しびれを切らして出てきた案がUASFです。

UASFはUser Activate Soft Forkの頭文字をとった言葉で、ユーザーによるアクティベート(仕様変更)のことです。

通常は暗号通貨のアクティベートはマイナー主導でやるのですが、今回のビットコインに関してはマイナーたちの反対でなかなか実施できないので、ユーザーが実施してしまうということです。

ユーザーと言ってももちろん一般のユーザーではなく、取引所やウォレットや周辺サービスを行っている事業者たちです。

ソフトフォークなので一部のマイナーたちが行おうとして頓挫した、Unlimitedとは違い従来のビットコインと互換性あるアクティベートです。

ビットコインの問題とは??

ビットコインの急速な普及に追いつかない

ここで、もう一度ビットコインの問題点を確認しておきましょう。

まず一番の問題はスケーラビリティ問題です。

ビットコインのブロックチェーンは約10分間に1ブロックが生成され、そのブロックの中に10分間の取引内容をすべて記録していきます。

ただ、このブロックの容量が1ブロック1MBしかないために取引の増加に伴って既に一杯になってしまっています。

そうすると、記録しきれなかった取引は次のブロックに書き込むしかなくなってしまいます。

ここで、送金の遅延が起きます。

次のブロックに記録されればまだいいのですが、実際には手数料の高いものから記録をしていくので、安いものは放置されどんどん遅くなってしまいます。

このために本来は手数料が安いはずだったビットコインの手数料も高騰しています。

ビットコインの弱点

もうひとつの、問題はトランザクション・マリアビリティと呼ばれています。

これはトランザクションハッシュ呼ばれる、送金時の固有のIDを書き換えられてしまう問題です。

これはビットコインのウィークポイントとして以前より指摘されていました。

BIP148とは??

Segwitの実装

今回実施されようとしているUASFはBIP148という方式です。

これはSegwit(Segregated Witness)と呼ばれ、その名の通り署名を隔離する技術を利用する方式です。

スケーラビリティ問題を解決するにはブッロクの容量を大きくするか、取引データの容量を小さくするかですが、Segwitは署名を隔離することによって取引データの容量を小さくする技術です。

これにより従来のブロックの容量を約1.7倍にすることと同じ効果があると言われています。

ここで疑問に浮かぶのは、従来マイナーたちが反対してきたSegwitの導入ができるのかと言うことです。

Segwitを義務付ける

そうなんです、そこが一番の問題ですが今回のBIP148はそれを強硬にやってしまう案なんです。

segwitのアクティベートを義務付け、逆にsegwitのシグナリングで掘っていないビットコインは取引所もウォレットもユーザー皆で扱わずに無視をします。

取引所もウォレットにも扱ってもらえないと、暗号通貨としての価値はありません。

なぜマイナーはSegwitに反対するのか??

有力マイナーの思惑

これは私も以前から疑問に思っていたことなんですが、いろいろと調べたところやはり利権絡みだったようです。

もちろん利害が絡んでいるんだろうなとは、思っていましたが・・・

「ASIC BOOST」と呼ばれる技術があって、これは中国のBITMAIN社が特許を保有しています。

BITMAIN社は世界のASICの7割近くを生産しているメーカーであり、同時にアントプールという世界1のマイニングプールのオーナーでもあります。

ASIC BOOSTは従来の20~30%マイニングの効率を上げることができる技術で、Segwitを導入することによりASIC BOOSTの優位性が失われることで反対していると言われております。

しかし、BITMAIN社はASIC BOOSTの使用をテスト環境では認めていますが、正式なマイニングでは認めていません。

BIP148を実施するとどうなるのか??

パターン1 大半の支持を集めた場合は分裂回避

実施時に51%以上のマイナーが賛同していれば、ビットコインは分裂を避けられそのまま新しく仕様変更されたビットコインが、流通することになり問題は解決し混乱は避けられます。

パターン2 大半が反対した場合は分裂の可能性も

逆に51%以上のマイナーが反対した場合は、反対したマイナーたちはSegwitを無視して従来通りのマイニングを続ける可能性があります。そうするとブロックチェーンが分岐してしまいます。

つまり、SegwitシグナルのブロックチェーンとSegwitなしの従来のブロックチェーンに分岐することになってしまいます。また、そこで生成されたコインもSegwitのビットコインと従来のビットコインの2種類が生成されてしまいます。ビットコインの分裂が起こるのです。

パターン3 賛同者が少なすぎた場合は実施しない

8/1までにBIP148の賛同者があまりにも少ないと、延期または実施しないということもあり得ます。

パターン1~3が起こり得ることなのですが、実は2はなかなか現実的に難しいのです。

遡ってコインが消滅する

なぜなら、ここがBIP148の凄いところなのですが、パターン2の状態でブロックチェーンが分岐し、コインも2種類になってしまったとしても、その後にSegwit勢が優勢になって51%を超えるマイナーたちがsegwitでマイニングを始めた時から、ブロックチェーンが分岐した時点に遡ってトランザクションの承認が全て取り消され未承認の状態に戻ってしまいます。また、分岐後新たに生成されたコインはすべて消滅してしまいます。

大混乱が起こる!!

凄いことになってしまうのです。

つまりこういうことです。

払ったはずのものが未承認に戻ってしまい、コインに至っては消滅してしまいます。もし仮にマイナーたちから第三者にコインが渡っていても、そんなことはお構いなしにコインは消滅します。

そんな不安定なコインを扱う取引所があるでしょうか?ユーザーにしてもそんなコインを買う人はいません。

マイナーたちも折角マイニングをして受け取った報酬が消えてしまうのではただ働きになってしまうのです。

そんなリスクを冒してまでマイナーたちもSegwitに反対し従来通りのマイニングを進めるとは思えません。

マイナーたちのほぼ全員がSegwitに反対で一致団結できれば別ですけど・・・それも難しいでしょう

マイナーたちを囲い込む

このように決め手はマイナーたちが、どちらでマイニングを実施するかにかかっているわけですが、ユーザーグループが連携してSegwit方式を採用せざる得ない状況を作りだすのがBIP148の方式です。

ビットコインは民のお金

ビットコインは中央集権ではない初めての民のお金だと私は思っているので、そう言った意味では今のように一部の巨大マイナーたちが力を持ちすぎるのはビットコインの発展のためにもあまり良いことではないと思っています。

パワーを持つべきはユーザー

ユーザーにどれだけ支持されるかでビットコインの価値が決まる訳ですので、そう言った意味でも、今回のUASFは絶対に成功してほしいと思っています。

8月1日まであと50日ありますんで、是非ユーザーグループが協力してマイナーの51%以上の賛同を取り付け混乱なくSegwitの導入が進むことを願っています。

ユーザーとして備えること

ビットコインの保管に注意

まず、ビットコインを取引所には置かずに自分のウォレットに移すことをお勧めします。

ここでご注意願いたいのは、ハードウォレットか分散型のウォレット(秘密鍵を自分で管理できる)に移すことが大切です。

私が使っているのはCopayウォレットで分散型です。

 Cpayはこちら スマホ版はPlaystoreなどでダウンロードできます。

多くの方が使っているブロックチェーンウォレットや取引所で提供しているウォレットははwebウォレットなので危険です。

7月の下旬から自分のウォレットにビットコインを保管し、騒動が終わるまでは送金は控えるべきです。

ただし、最近の日本の取引所は万が一損害を受けた場合は保証します、というところもあるようなので、取引所に確認してみてもいいかもしれません。